仮想通貨投資における法人化によるメリット・デメリット

こんにちは、エッジです。

仮想通貨投資の税率が最高55%だということが話題となっています。せっかく利益を上げても、半分以上、税金として持っていかれるということで、含み益のまま保持し続けている人も多いと聞きます。

法人化した方が税金は安くなるよ、という話も聞くのですが、実際のところ、どうなのでしょうか。調べてみました。最初に言い訳させていただくと、私は専門家ではないので、認識誤りや計算間違いがあるかもしれませんので、ご了承くださいm(_ _)m

仮想通貨投資の税制

仮想通貨投資の税制は、国税庁が「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」という指針を出していまして、かなりの部分が分かってきています。

個人の場合は雑所得となり、他の所得との損益通算ができない、所得金額に応じて累進課税されて、住民税10%と合わせると最高税率は55%となります。下表は所得税です。

2017年はビットコインの価格が急騰して、13倍になっています。アルトコインの中には100倍というものもあり、2017年の年初から投資していた人の中には最高税率になる人もたくさんいたものと思われます。残念ながら、私は後半から参入したので、その恩恵には預かれていません。

法人化した方が税金は安くなるということで、仮想通貨投資をしている人の中に法人設立した人がおられます。ちなみに、儲かってから法人化をしても意味がありません。個人で上げた利益は個人のものであり、法人に利益を移すことはできません。

法人化のメリット

高額所得の時は税率が低くなる

法人に関わる税金は下表のようになります。

所得金額 表面税率 実効税率
400万円以下 24.464% 21.421%
400万円超~800万円以下 24.898% 23.204%
800万円超 37.042% 33.800%

詳しい説明は割愛しますが、事業税は損金に算入できるので、実効税率は表面税率より低くなるそうです。実際の税率は実効税率と考えておけばOKです。

さすがに、所得金額が800万円以下で法人化した人はいないと思うので、実効税率は33.8%になります。先ほどの個人の所得税の表と見比べてもらえると、節税のメリットが分かると思います。

所得金額が1000万円、3000万円、5000万円のパターンで法人化による節税額を見てみましょう。

所得金額が1000万円の時

■個人の税金:

(所得:10,000,000円-控除額:1,536,000円)×税率:43%=3,639,520円

■法人の税金:

所得:10,000,000円×税率:33.8%=3,338,000円

■節税額:

3,639,520円-3,338,000円=301,520円

所得金額が3000万円の時

■個人の税金:

(所得:30,000,000円-控除額:2,796,000円)×税率:50%=13,602,000円

■法人の税金:

所得:30,000,000円×税率:33.8%=10,140,000円

■節税額:

13,602,000円-10,140,000円=3,462,000円

所得金額が5000万円の時

■個人の税金:

(所得:50,000,000円-控除額:4,796,000円)×税率:55%=24,862,200円

■法人の税金:

所得:50,000,000円×税率:33.8%=16,900,000円

■節税額:

24,862,200円-16,900,000円=7,962,200円

節税額をまとめると

所得金額が1000万円で30万円の節税メリットが生まれます。なので、所得金額1000万円が法人化の目安になりそうです。

ただし、後述のとおり、個人では経費として認められなかったものが、経費にできることで所得金額は下がりますので、もう少し低い所得金額でも法人化のメリットはあると思います。

様々な支出を経費にできる

法人化すると、あなたは社長で、毎月の給与は役員賞与という形で法人にとっては損金(経費)になります。

その他にも様々な支出が経費にできる可能性があります。

  • 携帯電話
  • 自宅(事務所と兼用している時)
  • 書籍
  • セミナー受講
  • 出張の旅費(宿泊費・交通費など)
  • 交際費

ただし、仕事でもプライベートでも使用するものは全額を経費にはできないので、税理士とよく相談して決めてください。

法人化のデメリット

所得が少ない時には税率は高くなる

先ほど、所得金額1000万円が法人化の目安と書きましたが、節税額は30万円です。手間をかけて、法人化した割には少ないですよね。さらに、所得金額1000万円を下回ると、個人の方が税金が安いということもあります。

仮想通貨投資で1000万円の利益を上げる、これはとてつもなく難しいように思います。2017年は良かったと思いますが、2018年以降はどうでしょうか。

利益が出てから法人化しても間に合いませんが、法人化するメリットのある人は限られるように思います。

あと、数年すると仮想通貨の税率も20%になるような気がします。そうなると法人化して節税するといったメリットは完全に失われます。FXと同じように。

面倒な手続き

法人化するということは様々な手続きが発生します。

法人設立の手続き関係は税理士や司法書士に依頼すれば、合同会社で15万円程度でやってくれるでしょう。

それ以外も法人を恒常的に運営していくと、経理事務が必要となります。法人から個人に支払われる給料は源泉徴収の対象になりますし、厚生年金への加入も必要になります。面倒なことは税理士や社労士に丸投げすると、それだけお金がかかります。

法人の所得は法人の資産です

法人で稼いだ利益は一旦は会社の資産となります。会社から個人に給料(役員報酬)という形で支払われて初めて、自由に使うことができるのです。

法人から個人に資産を移すと、個人側では所得税が発生します。法人に残すと法人税、個人に移すと所得税が発生するということで、法人税率<所得税率となる範囲でこつこつと役員報酬を払っていくのが良いように思います。

まとめ

仮想通貨投資を行う上で、法人化して節税できる目安は所得金額1000万円だと言えます。このラインで稼げるという自信のある方は法人化を検討してみましょう。

法人化すると、節税のメリット以外に様々な支出を経費にできるというメリットもあります。一方、経理業務などの手間が増えることはデメリットです。税理士に頼むと経理業務からは解放されるかもしれませんが、税理士への報酬としてお金が発生します。

法人化の具体的な手続きを書いたので、参考にしてください。

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